オーガニックコスメとは、有機農法や化学肥料を使わないで育てられた植物を主成分にしたコスメのこと。もっと大きく言うと、地球環境を破壊しないようにさまざまな配慮がされているとも言えます。
もちろん、100%すべてがオーガニックでないといけない、ということはなく、そういったブランドの理念や哲学が製品に反映され、私たちの生活の質を高めてくれるというのが大前提です。
決して我慢を強いるわけではなく、効果実感や使用感は好感触ながらも、会社の考え方や製品のテーマ、キャッチコピー、リサイクル容器の使用などありとあらゆるもの、製品のすべてに「地球環境への配慮」がなされていることがオーガニックコスメの基本的な考え方と言えるのです。
オーガニックコスメブランドのCSR活動の重要性
CSR(企業の社会的責任)と呼ばれる活動にしても、地産地消を心がけ、農業から自然環境を大事にしているブランドも数多くあります。
自社ファームで育てた植物から採れた成分を製品に採用しているのも、その例です。
すべてのブランドが自社ファームで育てた植物を使って製品をつくることは難しいでしょう。しかし、一歩一歩着実な努力を積む姿勢も、オーガニックコスメをつくるブランドに期待したいと思います。
また、地球環境への配慮や、それに関係する活動をぜひブランドには発信し続けてほしいと感じます。
「この原料はどこの農家と契約しているか」「品質管理の体制は徹底されているのか」など、原料からオーガニックにこだわっていることを発信し続けると、消費者はより企業のことを信頼できるからです。
加えて、「地球環境への配慮」は世界的な目標として、日本だけでなく地球全体のことを考えた活動を視野に入れてほしいと希望します。
さらに、認証をとる努力をしている姿勢も評価したいです。簡単に取得できるものではないけれど、その過程やオーガニックであることを担保していることを明らかにすることも大切だと実感します。
消費者がオーガニックコスメを選ぶ上で気をつけること
一般消費者(生活者)の方には、オーガニックコスメに関する情報を細かにチェックすることーーその情報が新しいかどうかについても注目してほしいと思います。
ブランドのホームページやパンフレットを見て、製品のこだわりや機能に関する情報を手に入れるのが一番簡単で手っ取り早い。そのうえで、琴線に触れたアイテムはぜひ手に取って試してみてほしいです。
製品やブランドのこだわりに加えて、肌にのせたときの感触、香り、手に取ったときの高揚感を感じる容器や外装のデザインなど、すべてを含めて「好き」と思えるオーガニックコスメを使ってみてはいかがでしょうか。
厳しいコロナ禍において、いい製品をつくっているブランドが多く、機能も優劣がつけがたい。だからこそ、感覚的なものが意外と頼りになったりするのです。
コスメに実際に触れる機会を増やすことが大切
色々な製品の情報を取り入れて、触ってみると自分の好みが分かります。はじめのうちは自分の「好き」を言語化するのは難しいかもしれません。
ですが、百貨店やドラックストア、バラエティストアに通いテスターを試したり、気になる製品を購入してたくさん試したりするうちに、自分の好みが明確になり、よりよいコスメと出合いやすくなります。
そのため、何よりもコスメに触れる機会を増やすことが大切です。広い視野を持って、製品の情報とコスメに触れることで審美眼を鍛えることができるのです。
消費者と企業間のコミュニケーションにも期待
また消費者には、気になることがあったら企業とコミュニケーションをとる姿勢もぜひとってほしいと思います。
消費者が声をあげ、ブラントがそれにこたえるという消費者と企業のコミュニケーションが密になり、オーガニック市場がよりよくなることを期待しています。
共感できるコスメを日常に取り入れて
最後に、消費者のみなさんには「この成分が入っているから」「○○さんが推していたから」という理由ではなく、「このブランドを応援したい」「ブランドのフィロソフィーに感銘を受けた」など、共感できるアイテムを毎日の生活に取り入れてほしいと希望します。
好きなものや共感するものを使うと、コスメの効きもよりアップするのではないでしょうか。
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【日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会JNOCA(ジャノカ)】
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この記事を書いた人
PROFILE
【JNOCA協会顧問】ビューティサイエンティスト 岡部 美代治
(株)コーセーの研究所を経て(株)アルビオンにて商品開発、マーケティング等を担当、数多くのヒット商品を手がける。2008年4月独立、現在は美容コンサルタントとして活動。商品開発アドバイス、美容教育アドバイスを行う他、講演・セミナーの依頼や雑誌取材も多い。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般について正しい情報を発信している。
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〉著書『ムダ美容をやめればキレイになる』