ビューティサイエンティスト 岡部美代治氏によるナチュラル・オーガニックコスメへの招待状

【vol.5】

2022.09.26

化粧品メーカー・生活者ができるサステナブルな取り組み

化粧品メーカー・生活者ができるサステナブルな取り組み

今回のコラムでは、「サステナブル」(sustainable)という言葉に注目して、化粧品メーカーや生活者がどのようなことをするべきかについてご紹介します。

「サステナブル」とは

サステナブルとは、“持続可能な”という意味です。簡単にいうと地球の環境や資源を大切にし、未来永劫平和で豊かな自然を守るために行動をしましょう、ということ。

人間だけでなく地球に生きるすべての動物、もっと言えば宇宙全体のことを考えることが重要です。すべての人間、動物、地球環境、宇宙……の未来を守るために、企業も生活者も助け合いながら行動しましょう。

具体的に何をすればいいのか、というのが前回のコラム『オーガニックコスメが秘める美容の力とは?』でお伝えしたSDGs(持続可能な開発目標)です。

2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、2030年までに達成すべき持続可能でよりよい世界を目指す国際目標(=SDGs)を一人一人が意識することで、サステナブルな社会づくりの一歩になるのではないでしょうか。

SDGs

正直なところ、一個人、一企業の力だけでサステナブルな社会をつくることは不可能でしょう。一人一人が小さなことでも着実にひとつずつ行動することで、やがて大きな力となります。

メーカーができるサステナブルな取り組み

SDGsの17個のゴールの中でメーカーが取り組みやすいのは、「14:海の豊かさを守ろう」や、「15:陸の豊かさも守ろう」ではないでしょうか。つまり、資源を大切にするということです。

リーフレットの素材を再生紙にする、プラスチック容器の使用を少なくする、レフィル対応のコスメをつくるなど、資源を再利用するリサイクルに取り組んでほしいです。

もちろん、すべてを一気に始めることは難しいと思うので、できる範囲から一歩ずつ着実に挑戦しながらモノづくりに取り組んでいただければと思います。

生活者側ができるサステナブルな取り組み

1:化粧品は捨てずに再利用する

使い切れない化粧品や、肌に合わない化粧品を捨てるのではなく再利用してみてはいかがでしょうか。

例えば、顔用の余った化粧品をボディケアアイテムとして使うなど。基本的には顔に使えて体には使えない、ということはないので安心してください。

化粧品は捨てずに再利用する

また、使い切れないアイシャドウやリップ、チークは絵具として再利用するのもいいでしょう。化粧品の豊かな色彩が、お子さんのお絵描きを楽しいものにしてくれるのではないでしょうか。

2:ごみの捨て方を見直す

前回のコラムでも、段ボールを捨てるときにリサイクルすることもSDGsに貢献する立派な行動だ、とお伝えしました。使い切った化粧品を捨てる際にも、自治体のルールに合わせて分別をしてから捨てるようにしましょう。

もう一つ私がお伝えしたいのが、化粧品からは少し離れてしまうかもしれませんが、「フードロス」を見直すということ。

生活の中で出るごみの大半が食べ物に関連することなので、フードロスの削減を意識した行動をすることはサステナブルな社会づくりに貢献します。

具体的には、賞味期限と消費期限の考え方を今一度改めていただきたいです。賞味期限とは「その日付までおいしく食べられますよ」ということ。賞味期限が過ぎたからとすぐに食べられなくなるわけではありません。

フードロス

消費期限とは「その日付まで安全に食べられますよ」ということ。一般的には期限を過ぎたら食べない方がいいと言われています。

賞味期限が過ぎたからとすぐには捨てず、においや味に注意をしながら消費をしてください。安全に食べるためには、封をきちんと閉める、適切な温度管理をすることも大切です。これは化粧品にも言えることですね。

SDGsについて考えることもサステナブルな貢献に

一人一人の力は小さいかもしれませんが、地球に住む人が少しずつできることをやることでやがては大きな力となり、サステナブルな社会づくりの大きな一歩となります。

リサイクル可能な容器

身の回りを見渡してみて、資源を大切にするためにできることをひとつずつ探してみてください。行動はもちろんですが、SDGsについて考えることも十分サステナブルな貢献につながると私は考えます。

■ナチュラルコスメ・オーガニックコスメの目印になる、ナチュラル・オーガニックコスメ認証JNOCA(ジャノカ)についてはこちら
日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会JNOCA(ジャノカ)

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<<【vol.4】『オーガニック・ナチュラルコスメとSDGsの関係』

>>【vol.6】『自分に合ったオーガニック・ナチュラルコスメの選び方とは』

この記事を書いた人

ビューティサイエンティスト 岡部 美代治氏

PROFILE

【JNOCA協会顧問】ビューティサイエンティスト 岡部 美代治

(株)コーセーの研究所を経て(株)アルビオンにて商品開発、マーケティング等を担当、数多くのヒット商品を手がける。2008年4月独立、現在は美容コンサルタントとして活動。商品開発アドバイス、美容教育アドバイスを行う他、講演・セミナーの依頼や雑誌取材も多い。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般について正しい情報を発信している。
〉公式サイトはこちら
〉著書『ムダ美容をやめればキレイになる』

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