私はオーガニックコスメが秘める美容の力とは、肌への効果はもちろんのこと、気持ちまでも安定し、優しく穏やかになれることだと思います。
この連載での初回でもお伝えしましたが私は常々「オーガニックコスメは科学ではなく哲学である」と考えています。
オーガニックコスメはブランドの歴史やコンセプト、果ては開発者の想いまですべてが成分の構成や感触に現れています。
ブランドや製品の哲学(こだわり)を理解し、感じ取ることで美容にもたらす影響力がより高まるのではないでしょうか。
もちろん、お試ししてみて「香りがいい」「この感触が好き」などの直感も大切です。
肌だけでなく気持ちまで優しく穏やかになれる
毎日のスキンケアに化粧品を取り入れることは、多くの方にとって身近なことだと思います。
このような日常生活になじむ行為のひとつとして、オーガニックコスメを使い続けることで、原料の植物を通して自然環境や昨今話題のサステナビリティ(持続可能性)、地球全体のことまでも関心を持つことができます。
結果的に、肌にも地球にも優しく穏やかになることができるのです。そして、巡り巡って生活の質(QOL)の向上にもつながります。
オーガニックだろうとケミカルだろうと優劣はない
化粧品業界の進化は凄まじく、中身に加えて製品のコンセプトやブランドのフィロソフィー、パッケージなど、さまざまな視点からコスメを選ぶことが求められています。
そのため、オーガニックコスメだから○○、ケミカルコスメだから○○と決めつけることはできず、機能の面から見ても感触の面から見てもどちらかに優劣をつけることはできません。どちらにもいいところがあってその両方を取り入れるのが理想だと思います。
機能も感触もすぐれた化粧品が山ほどある中で、オーガニックコスメを選び生活に取り入れるということは自然や資源を大切にし、地球環境に配慮することにもつながり、肌への効果を実感できるのはもちろん、自分の肌にも地球にも優しい人になれるのです。
オーガニックコスメが秘めた香りのパワー
オーガニックコスメの特徴のひとつである香りがもたらす美容効果についてもお話しします。
香りは五感の中で唯一、脳に直接働きかけることができ、記憶や感情にアプローチすると言われています。
自分が心地よいと感じる香りのものを選ぶとそれだけで、リラックスできたり心が穏やかになったりして優しくなれるのです。
長引くコロナ禍でストレスを感じることもあるかと思いますが、心地よい香りのオーガニックコスメを選ぶことで、気持ちがふわっとやわらぎ自然の恵みを肌と心の恩恵として享受できます。
美容の視点から注目すべきオーガニックコスメを選ぶポイント
オーガニックコスメを選ぶ際は、ブランドと製品のコンセプトやフィロソフィーに共感できること、パッケージや感触、香りが好みであること、さらには自分にも地球にも優しいな、と思えるものに注目していただければと思います。
化粧品は毎日使うものなので、背伸びや無理をせずに、自然に受け入れられるものを選ぶのが一番です。
美容への効果としては、「最近優しくなったよね」と人から言われたり、毎日の生活が穏やかに過ごせたりすることが、オーガニックコスメが秘める美容の力を享受できた最大の証拠ではないでしょうか。
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この記事を書いた人
PROFILE
【JNOCA協会顧問】ビューティサイエンティスト 岡部 美代治
(株)コーセーの研究所を経て(株)アルビオンにて商品開発、マーケティング等を担当、数多くのヒット商品を手がける。2008年4月独立、現在は美容コンサルタントとして活動。商品開発アドバイス、美容教育アドバイスを行う他、講演・セミナーの依頼や雑誌取材も多い。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般について正しい情報を発信している。
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〉著書『ムダ美容をやめればキレイになる』